40代・50代から楽しむ「大人の新世界・通天閣」散策記|串カツを食べない一人旅の贅沢

大阪観光

皆さん、おはようございます、こんにちは、あるいはこんばんは。今期のアニメに夢中な「旅する猫おじ」です。

大阪のシンボル「通天閣」と、その足元に広がる「新世界」。ド派手な看板、行列ができる串カツ店、そして最新の巨大スライダー……。賑やかで少し騒がしいイメージが強いこの街ですが、実は「40代・50代の男が一人で歩く」ことでしか見えてこない、静かで深い表情があります。

今回は、あえてスライダーには乗らず、胃腸を労って串カツも食べない。そんな「何もしない贅沢」をテーマにした、大人の散策記をお届けします。若者向けの観光地として上書きされる前の、古い大阪の残り香を探しに行きませんか?

通天閣本通商店街から見た通天閣。
通天閣本通商店街から。この無骨な鉄骨美が大人には堪りません。

1. 建築美としての通天閣を「外」から愛でる

現在の通天閣は二代目。1956年に再建されたこの塔を設計したのは、後に東京タワーも手掛けることになる「耐震構造の父」内藤多仲(ないとう たちゅう)氏です。日本全国にある「タワー六兄弟」の一つとしても有名ですね!

最新のアトラクションに沸く人々を横目に、まずはこの機能美に溢れた鉄骨の造形をじっくりと観察してみましょう。昭和の高度経済成長期を支えた職人たちの矜持が、その骨組みから伝わってくるようです。

新世界の繁華街と通天閣
定番の画角。2020年に閉店した老舗「づぼらや」のフグ看板がなくなっても、街の活気は健在です。

見逃せない「天井画」の復刻版

通天閣の真下、1階の吹き抜け部分を見上げてみてください。そこには色鮮やかな「天井画」が描かれています。これは1912年の初代通天閣完成時に描かれていた、クラブ化粧品の広告を復刻したもの。

クジャクや花々が描かれたモダンなデザインは、戦前の大阪がいかに華やかだったかを物語っています。エレベーターに乗る前のこの数分間、少し首を痛めながらも見上げる価値のあるアート。ここから、新世界の歴史を遡る旅が始まります。

通天閣の天井画
100年前の「モダン」を今に伝える、鮮やかな天井画。

2. 展望台で「変わる街、変わらない自分」を眺める

「一人で展望台に登るのは気まずい」と感じる必要はありません。むしろ、この360度のパノラマは、一人のほうが深く味わえます。若い観光客が自撮りに夢中になっている隣で、僕ら大人は「あそこにかつて何があったか」に思いを馳せる・・・決して寂しいわけではありません(笑)。

通天閣展望台からの景色
あべのハルカスを見上げる贅沢。新旧のランドマークが共演しています。

高層ビル群に溶け込む「空中庭園」のような大阪城

大阪生まれ・大阪育ちの僕にとって大阪城は見慣れた存在ですが、ここからの景色には驚かされました。公園の緑が見えず、天守閣だけがビル群の合間にポッカリと浮かんで見えるのです。まるで「令和の都市」に「戦国時代」が迷い込んだような異世界感。これは通天閣の絶妙な高さだからこそ見られるマジックですね。

大阪城と高層ビル群
高層ビルの狭間に浮かぶ大阪城。歴史の断層を見ているようです。

幸運の神様「ビリケンさん」と向き合う

5階展望台には、言わずと知れた幸運の神様「ビリケンさん」が鎮座しています。もともとはアメリカの女性芸術家が夢で見た神様がモデルだという説もあり、意外と国際派。撫ですぎてすり減った足の裏を、僕もしっかり撫でさせてもらいました。「ブログがもっと読まれますように……」と下心を込めて(笑)。

ビリケン像
この笑顔に癒されます。足の裏を撫でるのがお約束。

3. 大人の遊び心。光る「通天閣ガチャ」をお土産に

通天閣の内部には驚くほどの数のガチャガチャがありますが、僕のおすすめは公式が推している「ライティングコレクション通天閣」(400円)。イエロー、ブルー、ピンクの3色展開で、僕は涼しげなブルーを引き当てました!

部屋を暗くして点灯すると、想像以上に綺麗。自宅で晩酌しながら、今日歩いた街を思い出す・・・そんな大人の自分土産にぴったりです。

ライティングコレクション通天閣ガチャ
手のひらサイズの通天閣。夜の灯りとして意外と実用的です。

4. 幻の遊園地「ルナパーク」の記憶を辿る

明治末期、かつてこの地には「ルナパーク」という巨大な遊園地があったのをご存知でしょうか?当時の通天閣はパリのエッフェル塔と凱旋門を合体させたような斬新な姿で、なんとロープウェイで遊園地と結ばれていたそうです。

通天閣内には当時のジオラマが展示されており、散策前にこれを見ておくと街歩きの深みが変わります。現在の賑やかな通りの地下に、先人たちが夢見た「東洋一の娯楽地」の記憶が眠っている。そう思うと、何気ない路地裏さえも歴史の入り口に見えてくるから不思議です。

ルナパークのジオラマ
かつての「東洋一の娯楽地」を再現したジオラマ。必見です。

5. 変わりゆくジャンジャン横丁と、受け継がれる「粋」

通天閣から南へ、全長約180メートルの「ジャンジャン横丁」。三味線の音が「ジャンジャン」鳴り響いていたことが名の由来です。今や観光客の歓声に包まれていますが、少し前まではここに、この街の「静」を象徴する場所がありました。

名物「将棋クラブ」が串カツ店へ。しかし……

かつて横丁の名物といえば、ガラス越しに真剣な対局が見られた将棋・囲碁の「三桂クラブ」でした。2024年6月に80年の歴史に幕を下ろしましたが、跡地を訪ねてみると……なんと、名前と看板のデザインを引き継いで串カツ屋さんになっていました!

『新世界串かつお好み焼き三桂クラブ』
『三桂クラブ』の名を残した粋な計らい。これぞ大阪の情ですね。

古き良き歴史を壊すのではなく、その記憶を残しながら形を変えていく。変わりゆく街を寂しがるのではなく、その変化を静かに受け止める。それもまた、大人の散策の作法かもしれません。

6. 要注意!スマートボール「ニュースター」の営業日

胃腸の調子が今ひとつでも楽しめる「遊び」が、スマートボールの専門店「ニュースター」です。18歳未満入場禁止の、まさに大人のための遊び場。僅か100円で楽しめる昭和レトロの極みですが、訪れる際は注意が必要です。

僕が訪れた日はあいにくの休業。Googleマップでは「営業中」となっていても、実際には不定休(月に6回程度)があるようです。2026年2月7日(火)の訪問時も閉まっていたので、ここを目当てにするなら事前の電話確認がベストです。

スマートボール専門店ニュースターは休業だった
無情にも閉まったシャッター。これもまた「旅の醍醐味」として楽しみましょう。

大人のソロ歩きを支える「休憩・実用スポット」

  • 天王寺公園(てんしば):通天閣から徒歩5分。人混みに疲れたら、ここへ。無料のベンチが多く、座って空を眺めるだけでリフレッシュできます。
  • 恵美須町駅のロッカー:身軽さは大人の余裕に直結します。重い鞄は駅に預け、カメラひとつで歩くのがコツ。
  • お手洗い情報:「てんしば」内の公衆トイレは非常に綺麗です。新世界の繁華街は古いトイレも多いので、事前に場所を把握しておくと安心です。

まとめ:自分だけの「新世界」を見つける旅

派手なアトラクションで絶叫しなくても、串カツを何十本も食べなくても、新世界は十分に面白い街です。建築の歴史を辿り、失われた風景を惜しみ、スマートボールの玉一粒に一喜一憂する。そんな「何もしない贅沢」は、年齢を重ねたからこそ味わえる醍醐味です。

次の休日、少しだけディープな大阪の空気を吸いに、一人で通天閣を訪ねてみてください。そこには、観光ガイドには載っていない、あなただけの「新世界」が待っているはずです。


通天閣の基本情報

  • 所在地:大阪府大阪市浪速区恵美須東1-18-6
  • アクセス:Osaka Metro 堺筋線「恵美須町駅」徒歩3分、御堂筋線「動物園前駅」徒歩10分
  • 営業時間:10:00~20:00(最終入場19:30)
  • 公式サイト:https://www.tsutenkaku.co.jp/
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